最も剛毅な者は最も柔和なる者であり、愛あるものは勇敢なる者である
新渡戸稲造
優しさこそが強さの源
「弱い者をいじめてはいけない!」
子供の頃に教えられました。
これは武士道の【仁】の教え。
「武士の情け」です。
力を持てば使ってみたくなる、というのが人の心理でしょう。
どのくらい強いのか試してみたい!
そう思うこともあるかもしれません。
しかし、強い力は弱い者を攻撃するためにあるのではなく、弱い者を守るためにある。
強い力は、より強い力に立ち向かうためにある。
試したり使ってみたくなるという力は、実は大した力ではありません。
本当に強い力を持っているという自覚があれば、恐ろしくて使えないはずです。
絶対に勝てる力を持っているのならば、試す必要もありません。
力とは何も腕力だけではありません。
権力も同じこと。
役職という権力があります。
肩書を前にすれば、常識ある人ほどその力には中々逆らえないものです。
ところ構わずその権力を振りかざす人を目にします。
力の大きさを自覚できない人が振りかざす権力は、時に人の命を奪いかねないほどの勢いを持っています。
強大な力を間違った方向に使う…
これは恐ろしく、そして愚かしいことだと思います。
本当ならば、そういう人たちを守る時のためにこそ、その力を持っているのではないでしょうか?
本当に強い人とは、その力の大きさを自覚している人です。
自覚するからこそ、その力を使うことができないのです。
「強さ」とは「優しさ」です。
「優しさ」なき「力」は、どれほどの強さを持っていたとしても、ただの「暴力」です。