為せば成る 為さねば成らぬ 成る業を 成らぬと捨つる 人の儚さ
武田信玄
人生の有効期限の中で
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という上杉鷹山の歌は、この信玄の歌を変えて詠んだものと言われています。
何事もやればできる!
できなかったのは、できるまでやらなかったからだ!
色んな表現があると思いますが、同じ意味の言葉を誰しも耳にしたことがあるでしょう。
これは真理だと思います。
子供の頃のある日、やっと自転車に乗れるようになったように、できるまでやれば、何事も必ずできるものです。
ただ、子供の頃と違い、大人には中々そうもいかない部分もあります。
例えば仕事においてなら、納期や期限というものがあります。
その仕事に人生の大半の時間を費やしながら、どれだけ「為す」ことができるのか!?という時間的な問題もあります。
そして最後、私たちには寿命というものがあります。
限られた時間の中で、「成る」まで「為す」ことができるのか!?
そう言われてしまえば、必ず「成る」とは決して言いきれないでしょう…
そう考えると、諦めたくもなる気持ちも分からなくはありません。
信玄の言葉の最後にある「人の儚さ」という部分には、ただ単に「できるはずのことを自ら捨ててしまう」という意味だけではなく、捨てざるを得ない「人生の短さ」…という意味も込められているような気がします。
では、諦めるのか!?
それとも、やり続けるのか!?
「武士道といふは死ぬことと見つけたり」という言葉は、死を敢えて受け入れることで、今を生き切るという意味の言葉です。
限りある人生…
志半ばで潰えることを残念だと思うのか、それとも半ばまででも志に生きたことを誇りに思えるのか…
その最後の価値を判断できるのは、自分ただ一人です。