大きくなったら何になりたいの?
恐らく誰もが、何度となく尋ねられたでしょう。
では…
大きくなったらどんな人になりたいの?
と、尋ねられたことはありますか?
恐らく「ない」と答える方がほとんどではないでしょうか?
聞かれたこともないから、考えた事もありません。
どこかで自分が気付かなければ、もしかしたら一生考えないまま…という可能性もあるかもしれません。
自分はどういう人間で、これからどんな人間でいたいのか?
私たちは、将来やりたいことや成りたいもののことは常に思い描いていますが、その思いを描く張本人である自分という人間が「どう在りたいのか?」ということは、ほとんど考えることなく過ごしています。
「やり方」や「成り方」のことはいつも考えているのに、肝心の「在り方」のことは意識すらしてないのです。
今まで一度も考えた事がないという方は、是非一度しっかりと考えてみませんか?
「在り方」を明確に意識することは、人生を変えるほどの価値があるかもしれません。
「在り方」が「軸」を作る
ブレやすくて…
と嘆く人によく出会います。
というより、自分もそうでした…(笑)
「これは性格だから…」と諦めてしまうから、一向に変わりません。
でもこれは性格ではなく、「在り方」がないから「軸」が定まってないのです。
「軸」がなくてグラグラだから、身の回りの環境の中で掴まれるものを探そうとします。
その代表的なものが「仕事」です。
私たちにとって「仕事」とは、生活の基盤であり、人生の大半の時間を費やす大切な存在です。
そのため「仕事=人生」と、自分でも境界線が分からなくなることが少なくありません。
仕事上の価値観や思考回路をそのまま自分自身のものだと錯覚し始めたり、仕事の影響を強く受けた人格形成をしてしまうこともあります。
同じ業界の人はなんだか似た感じになりやすいのもそのせいでしょう。
時には仕事上でのつまづきを、そのまま人生のつまづきのように思い込んだりすることもあります。
それでもその仕事上においては、それなりに一人前に見えるようになっていきますが、肝心の自分自身はあまり育っていなかったりします。
仕事ではしっかりした人なのに、私生活では全然ダメ…というような状態です…
そして、仕事に限定した偏った育ち方をしているので、環境が変わればまたグラグラと揺れてしまったりと安定しません。
もちろんそれでも自分の成長の一つである事は間違いないですが、「在り方」が定まらないと、望まない選択を繰り返し、結果として人生の遠回りをしてしまうことにも繋がりやすいのです。
「理想の自分」を描く
「在り方」とは、自分が「どんな人間でいたいか?」ということです。
「理想の自分」と言ってもいいでしょう。
あなたが描く「理想の自分」とは、どんな人間でしょうか?
でもちょっとその前に…
「自分はどんな人間か?」明確に答えられますか?
- 温厚な人
- 冷静な人
- 優柔不断な人
- 人の痛みが分かる人
- 前向きな人
- 後ろ向きな人
- 粘り強い人
- 飽きっぽい人…etc.
長所・短所を探すのと同じ様なことなので、ここまでならどこかの場面で一度くらいはやったことがあるのではないでしょうか?
そして多くの人がここで終わってしまいます。
客観的に自分を見つめ、「これが自分の性格(持って生まれたもの)なんだ」と受け入れたり落胆したりして諦めてしまうわけです。
でも必ずしもそうとは限りません。
これらは今までの価値観の自分から見た自分像です。
「どんな人間でいたいか?」という意識を持ちはじめると、見えてくるものが変わり、価値観まで変わってくる可能性があります。
もしかして…
今真剣に取り組んでいることが、本当は特にやりたいことでもなかった!
とか…
本当の自分はこんな人じゃなかった!
と言うことに気付く…なんてこともあり得ます。
もちろん生まれ持ったものだから変えようがない!という可能性もありますが、嘆く事ではありません。
変えられない部分は「個性」としてそのままにして、新たな「個性」を追加していくことを目指しましょう。
「後ろ向き」だと思うのであれば、それを消すよりも「前向き」な「個性」をプラスできるように目指すことです。
大切なのは変えられるかどうかの分析ではなくて「理想」を描くことですよ。
その前提を理解した上で、改めて「理想の自分」を描いてみてください。
つい「なれそうな自分」を描いてしまう人もいますが、なれるかなれないかは完全に無視しましょう。
それが「理想」ですよね?
また、どうしても「理想の生活」や「理想の仕事」と混同してしまう人がいますが、そうではなく、置かれた環境ややってる事とは一切関係のない人間としての姿のことです。
人として、純粋になりたい理想の自分。
その理想を目指す事が、あなたの「在り方」になっていきます。
人生のレベルアップ
自分の人生の決断をできるのは自分ただ一人。
それを行動に移せるのも自分だけです。
もしも…
- どんな出来事であっても前向きに捉えられる心とか…
- どこにいっても仲間ができるような人望とか…
- ピンチの時に誰かが手を差し伸べてくれるような人徳とか…
そういう人間性を身につける事ができたら、もし判断力や決断力に多少難ありだったとしても、十分生きていけるでしょう。
例えば仕事で全くうまくいかないことがあったとしても、人間性だけでどうとでもなりそうです。
知識や経験を重ねることももちろん大切ですが、そもそもその知識を必要だと判断し、それを学ぶための行動を起こし、習得したものを使いこなすのは自分です。
自分という原点のレベルアップを目指す事は、自分の関わる全ての物事をレベルアップさせることができるようになる…ということです。
人生がレベルアップした自分の選択や決断は、今よりもっと正しい結果につながるでしょう。
そんな自分が起こした行動は、今まで以上の成果を生み出すでしょう。
そうやって自分にしっかり集中していくことで、知らず知らず誰かの役に立ち始めるもの…なのではないでしょうか。
「在り方」が心を強くする
日本人は昔から「理想の人間像」というものを持っています。
そもそも「武士道」とは、武士にとっての理想の人間像を描いたもの。
そしてその武士に憧れたことで、「武士道」は一般大衆にまで広がり、今の私たちにまで伝わっています。
誰に教えられたかよく分からないけど、自分の心の中にある「~でなければならない」という暗黙の強制力みたいなヤツがあることに気付いたら、それが「武士道」です。
これは自分の親や、周りの大人たちや広く一般社会から求められる「理想の日本人」の在るべき姿です。
私たちは知らず知らず、理想を持たされてはいるんですよね。
それはそれで素晴らしいものだとは思いますし、それこそが日本人の美徳だと思いますが、自分の理想は自分で作りましょう。
サムライが強靱な精神力を持っていたのは、武士道という理想があったからでしょう。
理想の自分を目指す「在り方を磨く」ということは、自分の心を強くするでしょう。
まとめ
「在り方」とは、人間形成とか人格形成ということを意味していますが、これは学校や会社も含めて、誰かから改まって教わる機会はありません。
人から教わることができるのは、「やり方」や「成り方」だけです。
もし「今まで一度も考えた事がなかった…」という方は、少し意識を持つだけでも、たくさんの気付きが得られる可能性大!ですよ。