憂きことのなほこの上に積もれかし、限りある身の力ためさん
山中鹿之助幸盛
目次
逃げる事の大切さ
山中幸盛が詠んだと言われています。
武士たちは、逃げるくらいなら「死」を選ぶ!
そう思う人が多いのではないかと思います。
逃げるという「恥」をさらすくらいなら【名誉】のために死を選ぶのは、武士のイメージに最も近いものかもしれませんね。
しかし、生きることのほうがより困難であると判断した時は、恥を忍んででも逃げること…
それこそが真の勇気とも考えられていました。
山中幸盛は、戦いに敗れ、山野をさまよい、空腹に耐えかねてもなお、今死ぬことこそが卑怯なことだと思い、逃げ続けました。
生死をかける場面において「今こそ自分の力が試されている!」と思い、立ち向かう。
「まだまだ限界じゃない!もっと困難が降りかかってこい!」と、自らを鼓舞しました。
悪いことや苦しいこと、自分にとって決してよろしくないと思える出来事に出会った時、私たちはその力を試されます。
いつでも真向勝負はカッコイイですが、時にはかわしたり逃げたりすることが重要な場面もあります。
それも困難に立ち向かう一つの手段です。
大切なことは、その先に自分が何を成そうとするのか!?ということ。
「逃げるが勝ち」という言葉は、逃げることが勝ちなのではなく、逃げた後に成すべきことがあるからこその「勝ち」なのです。