剣禅一如
柳生宗矩
目次
最後は心
徳川家剣術師範を務めたという達人、柳生宗矩。
三代将軍徳川家光の教育係としても仕え、剣術を教えていました。
剣術を学んで8年。
自信をつけた家光は宗矩に勝負を挑みますが、全く歯がたたず…
悔しさから「奥義を教えろ!」と言い出した家光に、宗矩は答えました。
「あとは禅に学ばれてはいかがでしょう。」
剣の道を極め、本当に強くなりたいと思うのならば、剣だけではなく心も磨きなさいということです。
剣の道に限らずですが、技術や手法ばかりを一生懸命身に付けようとして、結局心を置き忘れてしまうことが少なくありません。
現代では成功者から学ぶノウハウ本なども無数にありますが、学んだノウハウだけでうまくいったという話は聞きません。
ノウハウという部分だけなら真似ることができても、それに取り組む意識や意欲、つまり心の中まで真似ることはできないからではないでしょうか。
誰にも教えないからこその奥義ではなく、誰にも教えようがないからこそ奥義。
自分で見つけ、編み出した、自分だけの道なのです。
それは言葉や本では伝えきれない日々の積み重ねです。
もし、誰にでもできる奥義があるとするならば、地道に愚直に一つ一つを積み重ねていくこと。
それに尽きると思います。