礼道の要は心を練るにあり
礼を以って端坐すれば兇人剣を取りて向かうとも害を加ふること能はず
小笠原清務
武家礼法
小笠原流という名を聞いたことのある人は多いんじゃないでしょうか?
今も残る武家礼法の流派です。
武家礼法とは、弓術や馬術における作法から、茶道や華道へと広がりを見せていったものです。
武士ならば知っておくべきたしなみとでも言えるものでしょう。
そして今の私たち日本人は、礼儀作法の面でも武士道の教えを受けているという事でもあります。
武士道の教えは、そのほとんどが目には見えない心の教えですが、唯一この【礼】だけは、目に見える型の教えでもあります。
「型」であっても極めれば、ただ座っているだけで他人が切りかかることすらできないほどの境地に達するということです。
【礼】とは「型」ではありますが、「心を目に見える形に表すための型」を意味しています。
つまりただ「型」だけをいくら学んでも、心が練れてなければ意味がないということになります。
しかし逆に、心を練るためにこそ、その「型」をひたすらに鍛錬するということも【礼】の教えでもあります。
スポーツや武道で言うならば「基礎」です。
野球ならばキャッチボールから、剣道ならば素振りから、柔道ならば受け身からと、中々本格的な練習をさせてもらえないということは多々あります。
「基礎」とは無駄なく体の機能を活かすための「型」です。
誰よりも「基礎」を積み重ねた人には、当然「自信」が宿ります。
それは「根拠のある自信」です。
それこそが「他を寄せ付けないほどの力」になるのではないでしょうか。