
心理カウンセラーに興味がある!



心理カウンセラーになりたい!
と考える人が、どんどん増えてる時代だと思います。
それを裏付けるかのように、巷には、心理カウンセラーに関する資格が溢れていますが、その数の多さからも、どうしたら心理カウンセラーになれるのか?どの資格を取ればいいのか?と、余計に迷ってしまう原因になっているような気もしますね。
現在のところ、心理カウンセラーになるための必須の資格というものは存在しません。
自分は心理カウンセラーだ!と名乗ることができるなら、誰でも今日からなれるということですが、何の経験も資格もなくいきなり名乗るのは中々出来ないですよね。
私個人の意見としては…



どの資格でも構わないけど、資格はあったほうが良い!
と、考えています。
なぜ、こう思うに至ったか、私自身が心理カウンセラー資格を取ろうと思った経緯と、取ってみてから感じたことなど、実体験を織り交ぜながら解説したいと思います。
そして、心理カウンセラーという職業に興味を持つ人の多くが気になっているであろう、「心理カウンセラーで食べていけるのか?」という事に関しても、起業家目線からの見解を書いてみたいと思います。
資格を取ろうと思った経緯
元々、友人の相談に乗る機会が多かったという経験から、ある時、事業の一つとして、電話やオンラインでの愚痴聞きサービスを始めようと思い立ちました。
その準備をしていく中で、これまで何となく人の相談に乗ってきたけど、今後、見ず知らずの人の悩みも聞くに当たって、一度しっかりと勉強してみたい!という気持ちになってきたことが一番の動機になりました。
最初は、独学で勉強できる方法はないのかとあれこれ調べてみましたが、ネットの情報はどうしても切り取りになりますし、本を買おうかと思うと、今度は逆にどこから手を付ければいいのか見当もつかない広範囲過ぎるジャンルです。
独学では絶対できない!とは言いませんが、ものすごく遠回りで、時間的コストがかかり過ぎますし、本を買い漁るとなると、実際のコストもそれなりにかかることは間違いないでしょう。
やはり、まず初歩的なことから的を絞って学びを得ようと思うのであれば、資格の取得を目指すことが最短距離だと思いました。
私が取得した資格
どの資格にするかは、結構悩みました。
私が取得した資格は…
- メンタル心理カウンセラー
- 上級心理カウンセラー
以上2つ、いずれも日本能力開発推進協会(JADP)認定の資格で、キャリアカレッジジャパンの通信講座で取得できます。
メンタル心理カウンセラーが初級、上級心理カウンセラーは、そこから更に知識を深める文字通りの上級資格という感じで、まとめて受講すると割引があり、お得です。(笑)


なぜこの資格を選んだのか?
真剣に悩んでる人をガッカリさせてしまうかもしれませんが…
- 通信講座の場合、資格試験が在宅という場合が多いので、まず間違いなく受かるだろうと思ったこと
- 初歩的知識だけでは物足りないなと思っていたので、セットになってる資格が良かったこと
- 上級という名称の響きが良かった…(笑)
正直なところ、最後の決め手はこのくらいの感覚です。
最終的には何となくで決めていますが、どんな資格があるのかをそれなりに真剣に調べた結果として、何となく選べば良いと思ったからです。
資格を選ぶ際に気を付けるべきこと
最初にお伝えした通り、心理カウンセラーになるために必須の資格というのは存在しません。
ただ、心理カウンセラーとして働きたい場所によっては、事実上資格が必須という場合があります。
例えば、病院や小中学校のスクールカウンセラーとして働きたい場合などは、臨床心理士の資格を求められることが多いと思います。
また、企業などの職場で働くカウンセラーの場合は、産業カウンセラーの資格が求められることが多いようです。
また、唯一の国家資格として、公認心理士という資格がありますが、まだ歴史の浅い資格のため、就職への優位性などははっきり見えてない部分もありますが、唯一の国家資格という面から考えても、今後はそれなりに影響が出てくるのではないかと思います。
いずれの資格も通信講座というわけにはいかず、4年生大学や大学院修了など、受験資格に細かな規定があるものです。
もしこういった資格を目指したい方は、資格要件等しっかりと調べないといけません。
その他、心理系の資格で就職したい先が明確にあるという人は、求人募集の状況なども調べておくことをお勧めします。
以上のように明確な目的がある場合は明確に資格を選ぶべきですが、私のようにとにかく心理カウンセラーになろう!心理カウンセラーとして開業しよう!と思う人にとっては、どの資格かで悩むことに時間を費やすくらいなら、何となくでも決めて、まずは資格を取得してみる。
その上で不足を感じるなら、資格を追加していけば良いと考えました。
資格を取ってみてから感じたこと
通信講座に要する時間は、1日60分、4ヶ月程度です。
正直なところ、その当時は初めての学びのため、他に比較対象もなく特に何も思いませんでした。
それから年数を経て、現実に色んな悩みと向き合ってきたことで感じるのは、短期間で、基礎からの学びを得ようする内容としては、非常によくできていると思います。
基本的なことが幅広く網羅されていますし、文字のやり取りではありますが、いくつかの悩みの事例に自分なりに対応を書いて提出し、それをカウンセラーに添削してもらうようなやり取りもあり、知識の詰め込みだけではない、現実的に使える方法が中心です。
今でも、時折テキストを開くことがあります。
ただ当たり前のことですが、どんな立派な資格であっても、取得しただけでOKなんてものは存在しません。
資格を取得すれば履歴書にも書けますが、胸を張って「私は心理カウンセラーです!」と名乗れるかどうかは、また別な問題です。
例えば私の場合、資格は取っても実務経験はなし。
友人の悩みを数え切れないほど聞いてきましたが、それが本来のカウンセリングとは違うということは、勉強したからこそ、より一層分かります。
当然、知識面でもいかに未熟かが分かります。
資格を取ったことは一つのスタートラインであり、その資格をこれからどう活かすかは自分次第。
そのためには実務経験を重ねながら、常に知識を求め、磨き、一つ一つ信頼を積み重ねていくことが重要です。
どの資格でも構わないと思ったのは、どの資格を取ったとしても、結局そこから本当の知識や経験を学び直す事になるからです。
心理の世界は常に最新の情報や知識が必要です。
自分自身が最新の状態でいられるよう、常に学び続け、アップデートし続ける必要があると思います。
心理カウンセラーで食べていけるの?
さて、ここが気になる方は多いのではないでしょうか?
どんな仕事でも同じですが、誰もが必ず食べていける!と断言できる方法はありません。
そこを前提とした上で、心理カウンセラーの収入の形やビジネスモデルを見ていきながら、より安定できる方法や、より収入につながる方法などを考えてみましょう。
心理カウンセラーの収入
心理カウンセラーとして収入を得ようと思うなら、どこかに就職して「給与収入」を得るか、自分で独立して「事業収入」を得るかの2つの方法があります。
給与収入
病院や企業などに就職して、給与として得られる収入のことですが、ネットで検索した複数の情報から平均を見てみると、年収300~400万くらいと言えそうです。
働き方は様々で、病院などで常勤で働く場合や、スクールカウンセラーや企業内のカウンセラーなどの場合は、週1~3日などでの非常勤を掛け持ちしているというケースも多いようです。
そういう様々な状況を平均してのおよその年収ですが、国税庁のサイトで見る日本の給与所得としての平均年収が467万となっていますので、残念ながら心理カウンセラーは、日本の平均年収を下回ってる人が多いということになります。
絶対に暮らしていけない金額ではないと思いますが、決して楽ではなさそうです。
もし、心理カウンセラーを副業(バイト)として、非常勤勤務などが実現できれば素晴らしいと思いますが、先ほども書いた通り、病院や企業などがカウンセラーを募集する場合、臨床心理士などの資格が必須とされる場合が多いのが実情です。
そのため、通信教育などで取得した資格では、それ相応の実務経験を積み重ねるか、そういった資格でも受け入れてくれる求人案件に運良く出会えるか、いずれにしても狭き門と言うしかありません。
事業収入
心理カウンセラーとして独立して、自ら作り上げる収入です。
カウンセリングルームを開業するとか、今の時代であればオンライン専門にして、WEBサイトメインでやっていくのもありだと思います。
給与収入と違って上限はないため、年収1000万越えもあり得ますが、逆に0円ということもあり得るので、安定はありません。
個々によって大きく違うため、平均年収のような調査データは見つからないですが、私自身が日々いろんなサイトを見て感じているのが、10分1000円、時間単価で6000円が一つの境界線で、格安を売りにしている場合はそれより安く、取得資格や専門性、経験値や知名度などを売りにしている場合はそれより高いという傾向があるように感じます。
時間単価6,000円なら時給6,000円ということになりますが、では5時間×6,000円で30,000円稼げるかと言えば、そうはいかない事が多いでしょう。
例えば、1回60分のカウンセリングを連続で5人分で5時間というのは、物理的には可能ですが、現実的には相当厳しく、カウンセリングの質を維持できないでしょう。
実際にカウンセラーをやっている人の状況を見聞きすると、1日で3名くらいが自分の全力を注げる限界というような意見も聞きます。
話を聞き続けるって、決して楽じゃないんですよね。
そう考えると…
3名×6,000円=18,000円
18,000円×20日間=360,000円
年収(年商)=432万
結局は勤務している場合とほぼ変わらない金額になります。
そもそも毎日3名ずつ20日間しっかりとカウンセリング予定があるかと言えば、それ自体も簡単なことではないので、実際にはこれよりも減る可能性が高いと考えておくべきでしょう。
カウンセリング以外の収入を作る
独立しても勤務してるのと収入が変わらないとなると、ちょっと残念にも感じますよね。
かといって、カウンセリングの数を増やして体力勝負!というのはお勧めしません。
品質の低下=将来的売上の低下
となるからです。
そういう面からも自分のカウンセリング以外の収入を作るのが最も現実的でしょう。
例えば…
カウンセラーを育てるセミナーを開催する
安価でも有料開催をすることで、収入のプラスになりますし、そこで育ったカウンセラーにカウンセリングを手伝ってもらうことができれば、人数分の売上が増える可能性ができます。
もちろん人に任せる場合、利益としては少ないものにはなりますが、一人でやっていれば0円だったはずの利益ですから、大きな意義があります。
それと似た方法として、セミナー参加者でなくても、副業としてカウンセラーをやっている人を募集して手伝ってもらうのもありです。
資格だけ取得して、まだ活躍してない人は結構いると思います。
逆パターンとして、パートタイム的に自分が手伝いに行く方法も収入の安定にはつながる可能性はありますが、自分の時間の切り売りから脱出しない限り、大きな売上を得る事は不可能です。
他のビジネスと同様に、人の力を借りて規模を拡大することこそ、収入拡大へと向かう道だと思います。
その他、講演活動や書籍の出版というような方法で収入を得られるようになれば、一人の力でも大きな収入を生み出す事はできますが、それができる時点で、それなりの実績を積んでいる人気カウンセラーということになります。
かなり狭き門となりますが、最終目標としては目指したい所です。
カウンセラーの資質
最後に触れておきたいのが、資格ではなく資質。
要は、カウンセラーに向いてるかどうかです。
仕事って、ある程度は慣れや経験でどうにかなっていくものだと思います。
ただそれはある程度まで…
どこまでと明確には言えませんが、そこが「食べていけるかどうか?の分岐点」と言えるのかもしれません。
一般的に、心理カウンセラーに必要と言われる要素には以下のようなものがあります。
知識欲
新たな専門知識やスキルを学ぼうとする意欲。
コミュニケーション能力
相談者と適度な距離間を保ちながら接することができる力や、人の話を聴く力と同時に、思いや意見、考えなど、心の中にあるものを言葉で伝える力も必要です。
柔軟さ
様々な悩みや苦しみなど、柔軟に受け止める心。
そして、オン・オフなど、自分自身の頭の切り替えの柔軟性も大切でしょう。
人間力
人間力という言葉がふさわしいのか分かりませんが、相手から信頼を得れるような安心感や誠実さのことです。
共感力
同感ではなく相手に共感する力。
同感と共感の違いはすごく大切です。
同感



それ分かる!私も同じ気持ちです!
共感



なるほど!あなたはそう感じたんですね!
共感してるうちは、相手との間に一線が引けている状態です。
それが同感になってしまうと、相手と自分との区別がつかなくなってきて、相手の悩みや苦しみをそのまま感じてしまう可能性があり、もはや人様の相談に乗れる状態ではなくなってしまいます。
また、同感に似てますが…



それはムカついたでしょう!私もムカついてきました!
といった具合に相手に合わせる「同調」も、無駄に相手の感情を煽ったりしやすいので気を付ける必要があります。
境界線を引く力
優しい人に多いですが、感情移入し過ぎるあまり、同感や同調になってしまうと、相手の問題に向き合えないどころか、自分自身が新たな問題を生み出すことになりかねません。
お医者さんが「すごく痛そうで見てられないので手術はできません!」ってなったら大変ですよね。笑
相手と自分との間に、しっかりと線を引けること。
それができて初めて、相手に共感することができるようになります。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
現状では、カウンセラーになるために必須の資格はありません。
でも、必要な資質はあります。
もし必要な資質が揃っていれば、資格がなくても人の悩みに向き合ったり寄り添ったりはできるでしょう。
ただ、資格や専門知識は、むしろ自分自身と向き合うために必要だと思っています。
カウンセラーも当然悩みを抱えるわけです。
そんな時、しっかりとセルフカウンセリングができること、そして自分が人様の悩みや苦しみと向き合うだけの自信を維持すること。
資格や専門知識とは、そういった自分自身を支える土台になるものでしょう。
どんな土台を作り上げるのか?は自分次第です。