コロナの影響で収入が減った…など、大きな不安を抱えるような明らかな要因はないのに、自分自身の感情や思考に、以前とは違う違和感のようなものを感じたりしていませんか?
- 些細な事でイラっとするようになった
- 攻撃的な物の言い方が増えた
- 我慢ができなくなった
- 感情の起伏が激しくなった
- 前向きに考えられない
- 不安が消えない
- 何事にもやる気が出ない
等々、今までとは違う「自分の中のネガティブなこと」に気付いたら、注意が必要です。
人間は環境の動物
そう言われるほど、私たちは自分自身を取り巻く環境の影響を受けています。
環境とは、周囲にあるあらゆる存在を指します、自然が多いか少ないか、暑いのか寒いのかもそうですし、人が多いか少ないかだけでなく、どんな人が周りにいるか等、身の周りの全てのことから影響を受けています。
その影響とは、体への影響だけではなく、心や思考にも影響します。
というより、体と心、どちらか一方だけが影響を受けるということはあり得ません。
どちらかに影響があれば、もう一方にも必ず影響が及びます。
例えば緊張するような場面では、ドキドキする、足が震える、体が硬直するなど、心の変化がしっかりと体にも伝わります。
同じように、あらゆる環境要因が、体と心の両方に影響を与えています。
もっと大がかりな出来事で言うと、高校や大学などの進学や転校などのタイミングで、全く別人?と思えるほどの変化をすることもありますよね。
これは、通う学校の場所や雰囲気、周りにいる仲間が全て変化していますし、住む土地や家まで変化してる場合もあり、かなり大きな変化と言えます。
この場合、気持ちの変化のほうが大きいと思いますが、その気持ちの変化は、顔つきや表情、仕草などにもしっかり影響していくことになります。
就職や転職、引っ越しなども同様です。
逆に、自分を変えたいという思いから、転職や引っ越しというパターンもあるくらいですから、大きな変化ともなれば、まるで生まれ変わったかのような変化を私たちにもたらすこともあります。
いずれにせよ、今のあなたの思考パターンや行動パターンは、今の環境によって作られているということです。
コロナ禍という環境
コロナウィルス感染予防のための様々な制限が生まれて、もう1年以上になります。
人との接触が制限され、通勤や働き方、外食機会や趣味や余暇の過ごし方にも制限を受けています。
この様々な制限はもはや私たちにとっての環境要因と言えます。
これらの制限も一時的な物であれば「回避行動」ですが、それが1年も続けばもはや「日常習慣」です。
私たちは「制限のある行動をしている」というよりも、「制限のある環境を生きている」という状況になっています。
これほどの環境変化があって、思考や行動に影響を受ける人がいても全く不思議ではないですし、むしろこの影響を全く受けてないという人は恐らくいないでしょう。
コロナウイルスを避ける行為自体がストレスになっているのです。
特に真面目な日本人は、求められていることにできる限り全力で応えようとしてしまうため、尚更と言えます。
中でも「人との接触が制限される」という環境は、私たちに大きな影響を与えている可能性があります。
「人と関わってこそ人間」です。
Zoomなどでコミュニケーションが取れるようになったとはいえ、やはり対面の信頼関係に勝るものはありません。
触れた時の体温だけではなく、向かい合いっているだけでも、それなりに温もりは伝わります。
人間関係って、そういう「温もりの確認」みたいな部分が意外と大きな要素になってると思います。
それだけは、Zoomや電話やメッセージでは中々伝わりにくいものでしょう。
人間が人間との接触機会を奪われるという経験は、現代を生きる多くの人にとって生まれて初めての経験でしょう。
その生まれて初めての経験は、生まれて初めてのストレスに繋がる可能性は高いはずです。
ちなみに、自粛警察などの「○○警察」は、初期から登場していることからも分かる通り、環境の影響というより、「見えない恐怖に対する過剰反応」が主な原因だと思います。
最近あまり耳にしなくなりましたが、そういう色んな反応が一周回った今だからこそ、自分の心の変化に気を付けたいところです。
自分自身に違和感を感じたら
何かがおかしい…?
そう感じたら、放置せずに、何か「行動」を起こしてみましょう。
思考の変化を思考でどうにかするのは中々難しいですが、行動からアクセスすると、比較的アクセスしやすいと思います。
自分と向き合う
いつもとは違うと感じたら、自分自身としっかり向き合ってみましょう。
向き合うのが苦手という方には、紙に書き出す方法をお勧めします。
特別なやり方があるわけではなく、その時頭の中にあるものをただ書き出すだけでOKです。
他人に見せるものではなく、また自分自身が後から見直す必要もないので、文章になっていなくても構いませんし、丁寧に書く必要もありません。
ただ、頭の中にあるものを吐き出すことです。
そうすることで、今まで気付けなかった気持ちや考えに気付けることがあります。
また、何も気付きがなくても、吐き出す事でただなんとなくスッキリするという効果もあります。
他人と話す
自分と向き合う前でも後でもいいですし、自分と向き合うのが苦手だから人と話す…でも構いません。
誰かと接点を持ちましょう。
実際に対面しなくても、電話やZoomなどでもOKです。
対面に勝るものはありませんが、対面を重視し過ぎると「また会ったときに話そう!」と、今吐き出したいことまで何もかも先延ばしにしてしまいがちです。
どうしても相手がいないという場合、ネット上での人生相談や愚痴聞きサービスなんかもありますし、心理カウンセリングでも良いと思います。
専門家を利用する際に、悩みを明確にしてから相談しようと思う人も少なくないですが、むしろ「何となくモヤモヤして」というような状態の時こそお勧めします。
お金を払ってまでやりたくない!と思う方もいると思いますが、こういったサービスは全てが有料ではなく、無料サービスや初回のみ無料などもありますので、お試し感覚で気軽に利用してみると良いと思います。
新たな事に挑戦してみる
今まで存在しなかったコロナによって、今までにない影響を受けているわけです。
では、その現状にまた今までにない変化を与えれば、その影響を変える事もできるということになります。
何かこの現状でもできる新たなものは見つからないでしょうか?
実は今までやってみたかったけど中々踏み出すことができなかった…という事にチャレンジし始めた人や、思い切って興味のあった資格を取得した…という方も沢山います。
コロナ禍だからこそ、オンライン対応ができるようになったサービスやスクール、セミナーなどもたくさん生まれています
今までにない経験は、今までにない価値観を生み出すことにもつながるため、最良の気分転換になる可能性は極めて高いと言えます。
自分を責めることは辞めましょう!
このコロナ禍において、自分のどんな嫌な部分に気付いたとしても、自分を責める事は辞めましょう!
混同しやすいですが、反省することと自分を責めることとは違います。
反省とは自分のことを冷静に振り返って、未来に向かって改善を促すものです。
自分を責めるとは、ただダメ出しばかりを繰り返したりして、自分を攻撃することです。
自分を責めることで得られる物はほとんどないと思ってもらって構いません。
人間の「慣れ」の能力が強力なため、私たちは今の状況を普通の日常のように思い始めていますが、今は正常な日常ではありません。
私たちの心身に何らかの影響があって当たり前であり、それは決して自分のせいではない!ということを忘れないでください。